同じAIなのに、採用市場は逆方向に動いている

韓国のプラットフォーム業界では、大規模な新卒一括採用を再計算する兆候が出ている。NAVERは2026年の一括採用計画をまだ確定せず、AI時代の人材像と採用方式を見直している。Kakaoも組織再編の局面で、前年と同じ規模のグループ新卒採用を続けるかは未定だ。

一方、ITサービス業界では反対の場面が見える。9月23日の報道基準でSamsung SDS、LG CNS、POSCO DX、CJ OliveNetworks、Hyundai AutoEver、Lotte Innovate、Shinsegae I&Cが下半期の新卒採用を進めている。

AIが若手業務を減らすという説明だけでは、この二つを同時に説明しにくい。重要なのはAIそのものより、企業がAIの価値連鎖のどこに位置しているかだ。

LG CNSは9職種で3桁規模の新卒を採る

LG CNSはAI、ロボティクス、コンサルティング、DXエンジニア、Cloud AM、Architect、ERP、Smart Factory、Convergence Engineerの9職種で3桁規模の下半期新卒を募集した。

公式資料では、AI職は顧客ビジネスに最適化したAIモデルとサービスを設計・実装する役割と説明される。ロボティクス職も製造・物流現場へのロボット適用と現場適用性の検証を担う。

つまり同社にとってAI普及は社内業務を減らす変数であるだけでなく、顧客プロジェクトを生み出す事業需要でもある。

CJ OliveNetworksは『採るか』と『どんな新卒を採るか』を同時に変えた

CJ OliveNetworksはAI、Data、Software、DX、ERP、情報セキュリティ、Cloudなどを含む11分野で下半期新卒を募集している。

同時に全職種へAI能力診断を導入した。開発職はVibe Coding Test、非開発職は業務状況に応じたAI活用力を評価する。

これは単なる新卒採用拡大ではない。企業は新卒を採り続けながら、『入社後にゼロから教える人』の基準線をAIと共に働ける人へ引き上げている。

ITサービス企業にとってAIはコスト削減手段であり、同時に売るべき案件でもある

プラットフォーム企業では、AIが検索、開発、文書作成、運用など社内業務の生産性を高め、既存の業務量を圧縮することがある。

ITサービス企業では別の効果が加わる。顧客企業やグループ各社がAIを導入するほど、既存システム、データ、クラウド、業務プロセスへAIを実装するプロジェクトが増える。

最近の業界取材でも、グループ全体のAX拡大と顧客案件の増加が、新卒を含む実装人材需要の背景として挙げられている。同じAIが一方では効率化圧力を生み、もう一方では新しい実装需要を生む理由だ。

AIが新卒の『初期生産性』を変えると、採用の経済性も変わる

ITサービス業界が挙げるもう一つの変化は、生成AIが新卒の初期生産性を高めているという点だ。以前は実案件への投入まで長い教育期間が必要だったが、AIを補助道具として使うことで若手も早く成果を出せるという現場評価が出ている。

これは全新卒の生産性が同じ割合で上昇したことを示す定量統計ではない。現時点では業界関係者の観察と採用選考の変化が同じ方向を指している、と捉えるのが安全だ。

それでも企業の計算は変わりうる。AI・クラウド経験者の採用コストが高く、案件需要が増える中で、AIを使って早期戦力化できる新卒を採り、社内で育成する選択の経済性が高まる可能性がある。

消えるのは『新卒』より、以前の新卒のスタート地点かもしれない

LG CNSは全職種共通で技術・産業トレンドの理解を見て、職種に応じて生成AI活用力をコーディング型・企画型で評価する。CJ OliveNetworksも開発・非開発を分けてAI活用力を評価する。

細かな試験内容は違うが方向は似ている。新卒だからAI活用経験がなくてもよい、という前提は弱まりつつある。

したがって『AIで新卒が消える』か『AIで新卒が増える』かを一つ選ぶより、入社時点で求められる生産性と証拠がどう変わるかを見る方が正確だ。

応募者は会社名より『この会社でAIが何を生むのか』を見るべきだ

同じIT企業でも、AIが社内生産性を圧縮する側に近いのか、顧客へ実装して売上を作る側に近いのかで新卒需要は変わりうる。

就活生にとっても『AIを使えます』という言葉だけでは弱くなる。実際のプロジェクトで何をAIに任せ、何を人が再判断し、結果をどう検証したかを示す方が現在の評価方式に近い。

ITサービス企業を見るときは、AIモデルそのものだけでなく、既存システム・データ・クラウド・業務プロセスへAIを接続する経験がどの職種で求められるかも確認する必要がある。

BANSEOG VIEW | AIの雇用効果より、企業の位置を先に見る

現在の公開資料だけで、韓国ITサービス業界の新卒採用総数が前年より増えたと断定することはできない。確認できるのは、複数の主要企業が2026年下半期に新卒採用を進め、その過程でAI活用力をより強く求めていることだ。

同時にプラットフォーム企業の一括採用見直し事例と並べると、AIがすべての企業の新卒採用に同じ方向で作用しているわけではないことが見える。

AIが既存業務を圧縮する企業と、AIを顧客業務へ実装する企業では人員計算が異なる。採用市場を見るときは『AIは仕事をなくすか』より、『この会社でAIはコストか、生産性ツールか、それとも新しい売上を生む事業か』を先に問う方が有用だ。

新卒の席が一律に消えるのではなく、AIと共により早く問題を解く新しいスタート地点へ移動している可能性がある。

Banseog View — AI Adoption ≠ One Hiring Effect

2026年下半期の主要ITサービス企業はAX案件拡大の中で新卒採用を進める一方、AI活用力を新しい基準線に引き上げている。

AIは一部企業では既存業務を圧縮するが、顧客のAXを設計・実装する企業では新しい案件と人材需要を同時に生みうる。

新卒採用を読むときはAIの有無だけで方向を判断せず、その企業がAI価値連鎖で何を担うかを見る必要がある。

参照した主な資料

公開資料だけではSamsung SDSやLG CNSなどITサービス業界全体の新卒採用総数が前年より増えたとは断定しない。9月23日の報道で確認できるのは主要7社が下半期の新卒採用を進めていること、新卒の初期生産性向上は業界関係者の現場評価であることだ。NAVERとKakaoは採用再検討・組織再編の背景が異なり、ITサービス企業との一対一の比較として一般化しない。『AI Adoption ≠ One Hiring Effect』は公開情報を接続したBanseogの分析表現である。