未来は気になる。それでも87.8%は具体的な行動に至っていなかった

Adecco Japanが20~50代の会社員500人を調査したところ、87.8%が将来のキャリアに向けてまだ具体的な行動に至っていないと答えた。

目標や計画を決め、実際に行動している人は12.2%だった。

キャリアを考えていないというより、考えることと動くことの間に大きな差がある。

止まっている理由は一つではない

具体的な行動に至っていない439人に理由を聞くと、「特に理由はなく、なんとなく」が33.9%で最も多かった。

「何をしたいのか分からない」15.5%、「現状に満足している」14.6%、「日々の仕事が忙しく考える時間や精神的余裕がない」13.9%と続いた。

一つの障害ではなく、方向不足、時間不足、現状満足、慣性が混ざっている。

66%はキャリアで「失敗してはいけない」と感じていた

キャリアを考える時に「失敗してはいけない」と感じるかという質問には66.0%が肯定した。

未来は不確実なのに、選択は正しくなければならないと感じれば、5年後の職種や転職、専門性の選択はより重くなる。

やったことのない仕事を自分が好きか、別の役割で力を出せるかは、考えるだけでは分からない。

変化が来ないと思っているわけでもない

2030年までにAI普及や社会変化によって自分の仕事内容や役割が大きく変わる、または職種自体がなくなるなどの変化があると考えた人は55.8%だった。

変化の可能性を完全には否定しなかった411人のうち63.3%は、その変化に不安を感じていた。

10年後の自分を想像した時に不安や疲れを感じる人は37.8%、強い期待やわくわくを感じる人は11.2%だった。

変化を不安に感じる人のうち、具体的に準備しているのは6.3%

変化に「不安を感じない」と答えた人を除いた400人に準備状況を聞くと、すでに具体的な準備をしている人は6.3%だった。

「特に何かをする予定はない」26.3%、「やりたいが何をすればいいか分からない」26.0%、「いつかやりたいがまだ始めていない」22.5%だった。

変化への認識や不安が、そのまま行動には変わっていない。

52.6%は新しい役割に機会もなく、挑戦したいとも思わなかった

過去1年に未経験の役割・仕事・プロジェクトへ挑戦したかという質問では52.6%が「機会もなく、挑戦したいとも思わなかった」と答えた。

自ら挑戦した人は13.6%だった。

この調査だけで機会不足が意欲低下を引き起こしたと証明することはできない。ただし、キャリア自律を求めるなら小さく別の仕事を試す機会が十分にあるかという問いは残る。

Career PlanningとCareer Actionは同じではない

未来をたくさん考えれば行動が自動的に生まれるわけではない。

今回の調査は長期計画そのものが人を動けなくするという因果関係を証明していない。確認できるのは、行動していない人の多さ、失敗への圧力、未来不安、準備率の低さだ。

Banseogはこの差をCareer Planning ≠ Career Actionとして見る。

問いを小さくする――10年後ではなく次の3カ月

「10年後に何になりたいか」より「次の3カ月で何を一度試すか」の方が小さな問いだ。

他部署の短期プロジェクト、現在業務への生成AI導入、社内公募、短期学習後の成果物、副業的プロジェクト、外部面接などは退職より戻しやすい。

こうした行動はReversible Experimentであり、自分について新しい情報を作る。

Career DecisionをCareer Experimentへ分解する

「開発を辞めて企画へ行くか」より「次のプロジェクトで要件定義を一度担当するか」の方が小さい。

「AI専門職へ転職するか」より「現在の仕事を一つAIで自動化し成果物を作るか」の方が小さい。

Experiment → Evidence → Adjustment → Next Experimentという循環にすると、大きな決断の前に情報を増やせる。

46.8%はキャリアについて相談する相手がいなかった

調査では46.8%がキャリアについて相談する相手がいないと答えた。

一人で考えると、現在の会社、現在の仕事、現在の周囲が知る選択肢だけで未来を想像しやすい。

相談の価値は答えを代わりに決めることより、見えていない選択肢と最小の次の実験を見つけることにあるかもしれない。

企業のキャリア自律も、言葉を教えるだけでは足りない

68.0%は「キャリア自律」という言葉を聞いたことがない、または知らないと答えた。意味を理解し、自分でも意識している人は8.8%だった。

しかし用語を教えるだけでは新しいCareer Evidenceは生まれない。

短期社内プロジェクト、職務体験、部門横断assignment、社内公募、小さなAI実験など、戻せる経験を作る方が行動に近づく可能性がある。

BANSEOG VIEW | Career Planning ≠ Career Action

Adeccoの調査では会社員の87.8%が将来のキャリアに向けた具体的行動にまだ至っていなかった。

この数字は、大きな計画が行動を妨げるという因果関係を直接証明するものではない。

ただし不確実な時代では、完璧なCareer Planを待つより、小さなCareer ExperimentでEvidenceを得て次の方向を修正する方法が現実的に機能する可能性がある。

Banseog View — Career Planning ≠ Career Action

未来不安や失敗への圧力があっても、それだけでは具体的なCareer Actionにはつながらない。

大きなCareer Decisionより、戻せる小さなCareer Experimentが行動の入口になる可能性がある。

Experiment → Evidence → Adjustmentという循環が、不確実な時代の長期計画を補完できる。

参照した主な資料

調査数値はAdecco Group Japanが20~50代会社員500人を対象に2026年4月2~6日に実施したインターネット調査に基づく。Career Planning ≠ Career Action、Career Decision → Career Experiment、Experiment → Evidence → Adjustmentは調査そのものの因果結論ではなく、公開結果を構造化したBanseogの分析フレームである。