毎日同じサイトで探しているのに、求人が見つからない

転職を考えるとき、いつもの求人サイトを開いて検索する。条件に合う仕事が少ないと、「今は求人がないのかもしれない」と感じるだろう。だが、仕事の種類によって求人が集まる場所が違うとしたらどうだろう。

求人データ企業のフロッグが2026年10月8日に発表した調査では、7月時点の正社員求人のうち、ITエンジニアはダイレクトリクルーティング型が51.8%、飲食業はIndeed PLUSが78.6%を占めた。

これは採用された人の割合ではない。特定の求人媒体に掲載された求人件数の構成比だ。それでも、自分の職種なら何を最初に確かめるべきかを考える材料になる。

ITエンジニアは「探す」と「見つけてもらう」を分けてみる

ITエンジニアの求人では、ダイレクトリクルーティング51.8%、人材紹介23.1%、Indeed PLUS19.3%だった。調査でスカウト型に分類された媒体は、マイナビスカウティング、AMBI、ミドルの転職などだ。

スカウト型の仕組みでは、自分から求人を探すことに加え、企業や採用担当者がプロフィールを見つけて声をかける可能性がある。単に職種名を記入するだけでなく、扱った技術、担当した工程、実際に解決した課題を整理しておく価値がある。

ただし、51.8%のITエンジニアがスカウトで就職したという意味ではない。プロフィールを充実させれば必ず声がかかるわけでもない。掲載構成と個人へのオファーは別の数字だ。

飲食業の78.6%は、サイトを78個見ればよいという話ではない

飲食業では、調査対象の求人の78.6%がIndeed PLUSに分類された。多店舗展開などで募集情報を効率的に配信するニーズが関係している可能性がある。

重要なのはIndeed PLUSを「もう一つの求人サイト」と考えないことだ。Indeedの公式説明によると、求人を複数の連携求人サイトへ届ける配信プラットフォームであり、求職者は連携先のサービスで求人を見る場合がある。

同じネットワークのサイトを次々に登録しても、似た求人ばかり出てくるかもしれない。まず関連する求人を確認し、気になる店舗や運営企業の採用ページでも募集状況を照合する。掲載数の多さと採用のしやすさは同じではない。

営業・事務と製造業は、入口を一つに絞りにくい

営業・事務の求人ではIndeed PLUSが31.9%、ダイレクトリクルーティングが31.1%、人材紹介が24.2%。製造・工場では順に32.5%、25.0%、25.3%だった。

一つの経路が過半数を占めるITエンジニアとは違い、複数の方式に求人が分散している。この場合は一般の求人検索、スカウト型、人材紹介など、仕組みの異なる入口を比べることに意味がある。

ただし、複数のサイトに同じ会社の求人が掲載されることはある。見つけた求人が10件あっても、実際には同じ募集を何度も見ているだけかもしれない。会社名・仕事内容・勤務地・募集条件で重複を整理しておきたい。

東京で使える探し方が、地方でも同じとは限らない

東京都の対象求人では、ダイレクトリクルーティングが43.0%、人材紹介が20.7%を占め、ハローワークは5.5%だった。一方、ハローワークの割合は九州・沖縄で30.3%、中国・四国で30.1%、北海道・東北で28.4%だった。

地方で地域企業の求人を探すときは、民間サイトに加えてハローワークインターネットサービスも比較対象にできる。全国のハローワークで受理された求人を検索できる公式サービスだ。

もっとも、地域別データと職種別データは別の集計である。「東京のITエンジニアの何割がスカウト経由で採用される」といった掛け合わせは、この調査からは計算できない。

求人が多い場所と、採用されやすい場所は違う

フロッグの調査は指定された媒体の正社員求人を集計したもので、日本の全求人を網羅する調査ではない。1社が複数の求人を掲載した場合も重複を除いていない。

2023年と2026年の比率を比べる場合も注意が必要だ。2024年にIndeed PLUSが始まり、求人の配信や対象媒体が変わった。2026年の数値にはリクルート以外の連携媒体も一部含まれる。

そのため、ハローワークの掲載比率が下がったことを、そのままハローワーク経由で就職した人の割合が同じだけ減ったと読むことはできない。掲載構成だけから採用率、応募数、内定率を判断するのは危険だ。

まず7日だけ、自分に合う求人の入口を比べてみる

希望職種と働きたい地域を決め、仕組みが違う2〜3種類の経路を7日間だけ比較してみる。一般の求人検索、スカウト・人材紹介、地域によってはハローワークという組み合わせが考えられる。これは調査機関の公式な助言ではなく、Banseogが提案する小さな検証方法だ。

数えるのは画面に出た求人の総数ではない。重複を除いた新しい企業・職種の数、自分の経験や資格との一致、給与と勤務地の明確さ、企業公式サイトで募集が確認できるかを記録する。スカウトは件数よりも仕事内容との適合性を見る。

最後に、実際に応募できそうな新しい求人を見つけた経路に時間を配分する。世間で人気のサイトが、自分にも最適だと決めつけないための実験だ。

BANSEOGの視点|「求人が少ない」と感じる前に、入口を確かめる

ITエンジニアと飲食業では、求人の掲載経路が大きく異なる。東京と地方にも差がある。転職市場を一つの求人サイトだけで判断するのは難しい。

ただし、この調査は最も内定しやすい媒体を教えてくれるものではない。Indeed PLUSのように連携するサイトもあるため、登録先を無計画に増やすよりも、違う方式の求人を比較して重複を除くことが先だ。

もし求人が見つからないと感じたら、自分の能力や市場の悪さを疑う前に、一つだけ確認してみたい。「今見ているサイトは、自分の職種と地域の募集を本当に映しているだろうか」。

Banseogの視点 — 求人の入口と本当の選択肢

51.8%や78.6%は、選定された媒体の正社員求人件数の構成比であり、内定率ではない。

Indeed PLUSは複数媒体をつなぐ配信網で、サイトの数を増やすだけでは求人の重複が増える可能性がある。

異なる方式で7日間、重複を除いた応募可能な求人を比較すると、自分の探し方を見直す根拠になる。

参照した主な資料

本記事で用いたのは、フロッグが2026年7月に指定媒体から集計した正社員求人の掲載構成である。同じ企業による複数求人は重複除外されておらず、日本の全求人や実際の内定率・就職経路の分布ではない。2023年との比較にもIndeed PLUS導入による媒体・配信構造の違いがある。7日間の比較方法はBanseog独自の提案であり、採用成功を保証するものではない。