管理職の中途採用は5年で38.1%から54.8%へ上昇した

マイナビが9月28日に公開した『中途採用実態調査2026年版』では、2026年1〜6月に中途採用業務を担当し、募集活動と採用費用の管理・運用に携わった人事担当者1,600人のうち、管理職の中途採用を行ったという回答は54.8%だった。

2021年の比較値は38.1%。5年間で16.7ポイント上昇し、直近5年で最も高い結果となった。

これは日本企業全体の54.8%という意味ではない。対象は実際に中途採用を担当したHR実務者だ。それでも中途採用を行う企業群の中で、管理職を外部から採ることがかなり一般的な選択肢になっていることは分かる。

企業が外部から買っているのは役職ではなく、すでに経験したManagementだ

管理職を中途採用した理由の1位は『マネジメント経験が豊富な人材を求めたため』33.8%。『高度な専門スキルを持つ人材が不足していたため』30.5%、『管理職層の多様性を高めるため』30.4%が続いた。

中途採用全体の実施理由でも『即戦力の補充』が47.3%で最多だった。

企業が探しているのは年齢や課長・部長という名刺だけではなく、別の組織ですでに人と成果を運営した経験だと考えた方が近い。

74.2%が満足。それでも『管理職』という同じtitleだけでは判断できない

管理職の中途採用に『満足』と答えた割合は74.2%だった。即戦力の優秀な管理職を採れた、想定通りのskillがあった、期待以上の人柄・能力だったという声がある。

一方、不満理由には『面接内容と実際との差が大きい』『プレイングマネージャーしか集まらない』といった声も出ている。

同じ課長でも、5人teamで自分が実務の大半を担う人と、50人組織で予算・採用・評価まで持つ人ではmanagement capabilityは異なる。Titleだけでなく実際のmanagement scopeを見る必要がある。

個人に必要なのは『課長だった』より『何を変えたか』

管理職が社内昇進だけの市場なら、今の会社でどこまで役職を上げるかが大きなCareer signalになる。

しかし管理職のポジションが外部市場に開けば、問いは『他社でもこの役職が認められるか』から『自分のmanagement experienceは他社でも理解・再利用できるか』へ変わる。

Team size、KPI、P&Lやbudget authority、採用・評価・育成、組織再編、turnaround、新規組織立ち上げ。役職は会社が与えるが、Management Evidenceは個人に残る。

管理職は実際に役職を持ったまま転職している

マイナビが2025年に行った別調査では、転職活動時に管理職だった人の50.6%は転職後も役職が変わらず、10.4%は役職が上がった。

すべての管理職転職に一般化はできないが、一社で作ったmanagement experienceがその会社の中だけで価値を持つわけではないことを示す材料になる。

また現在管理職の転職者の54.1%は『他に良い会社があれば転職したい』と答えた。管理職も外部Career Marketの参加者になっている。

企業のSearchもTitle SearchからManagement Evidence Searchへ

管理職の外部採用が増えるほど、『営業部長』『製造課長』『Marketing Manager』というtitleだけで候補者を探す限界は大きくなる。

組織規模、hands-on比率、P&L・budget authority、採用・評価責任、growth organization、turnaround、新規組織立ち上げなど実際のmanagement scopeを分解して見る必要がある。

企業が必要としているのは同じtitleではなく、現在の組織課題に合うmanagement evidenceかもしれない。

BANSEOG VIEW | 管理職は『社内の地位』から『移動可能なCapability』へ

管理職の中途採用実施率は2021年38.1%から2026年54.8%へ上昇し、採用への満足も74.2%だった。

この数字だけで日本型の内部昇進が消えるとは言えない。社内育成と昇進は今も重要なrouteだ。ただ、会社Aでmanagement experienceを作り、会社Bの管理職へ移る別のrouteがより明確になっている。

これから管理職Careerの価値は役職をどこまで上げたかだけでなく、その役職で作った結果が他の組織でも理解され、再利用できるかでより強く評価される可能性がある。

Banseog View — 役職より移動可能なManagement Evidence

管理職の中途採用実施率は2021年38.1%から2026年54.8%へ16.7pt上昇した。

管理職採用理由1位は豊富なmanagement経験33.8%、採用満足度は74.2%。

企業はtitleよりmanagement scopeと成果を、個人は役職より他社でも読めるEvidenceを残す必要がある。

参照した主な資料

2026年調査は日本企業全体の無作為標本ではなく、2026年1〜6月に中途採用業務を担当し、募集活動と採用費用の管理・運用に携わった人事担当者1,600人が対象。54.8%を日本企業全体へ一般化しない。2025年の転職者側データは別調査であり、2026年企業側調査と同一sampleではない。Title Search→Management Evidence Searchと『管理職の移動可能なCapability化』はBanseogの分析。