出社回帰が進んでも69.1%はテレワークを続けたい

ネオマーケティングが全国の20歳以上でテレワーク経験のある1000人を調査したところ、コロナ初期と比べて29.7%が会社でテレワーク制限・縮小などの出社回帰が進んだと答えた。

一方で69.1%は今後もテレワークを続けたいと回答した。出社が増えることと、テレワークが不要になることは同じではない。

77.9%は現在の出社ルールにも納得している

現在の出社ルールに「非常に納得」25.3%、「ある程度納得」52.6%で、合計77.9%だった。

会社に行くこと自体を拒否しているのではなく、すべての仕事を必ずオフィスで行う形には戻りたくないという選好の可能性がある。

Office Return ≠ Remote Rejection

現在の働き方は、フルリモート22.6%、週3~4日テレワーク16.7%、週1~2日22.4%、月数回12.2%、現在は実施なし26.1%と分散している。

Banseogはこの状態をOffice Return ≠ Remote Rejectionと見る。オフィスとリモートは二者択一ではなく、組み合わせる働き方になっている。

61.9%はテレワークを次の職場選びの条件にしている

就職・転職先を選ぶ際、21.9%はテレワークを必須条件とし、40.0%はできればテレワーク可能な会社を選びたいと答えた。

合計61.9%。働く場所は給与、休日、福利厚生と並ぶ職場比較の条件の一つになりつつある。

最大のメリットは『家』より通勤時間だった

テレワークの良かった点1位は通勤時間・通勤ストレスの減少54.5%。自分のペースで集中しやすい43.8%、出社準備時間の減少42.2%が続いた。

Remote Workの価値は場所そのものより、個人に戻る時間とコントロールにある可能性がある。

Location FlexibilityはTotal Compensationの一部になり得る

少し年収が高い週5日出社の会社と、同程度の年収で週2~3日テレワーク可能な会社を比べると、差は給料だけではない。

通勤時間、疲労、住む場所、育児、個人時間まで変わる。BanseogはMoney + Time + Location Flexibilityを合わせてJob Valueを見る必要があると考える。

生産性40.0%上昇は自己評価

テレワークで生産性が上がったと答えた人は40.0%、大きな変化なし49.3%、下がった10.7%だった。

ただしこれは客観的な成果測定ではなく回答者の自己評価であり、テレワークが生産性を上げるという因果関係を証明するものではない。

課題はコミュニケーションだけではなく生活管理へ

困った点は運動不足34.9%、仕事と私生活の切り替えが難しい32.5%、電気代などの負担増30.5%、同僚とのコミュニケーションが難しい25.7%だった。

運動や生活境界がコミュニケーションより上位に来たことは、テレワークの課題が技術から長期の生活設計へ移っていることを示す。

週3~5日テレワーク層では52.7%が幸福度上昇と回答

全体ではコロナ初期より現在の幸福度が高いと答えた人は41.7%。週3~5日テレワーク層では52.7%だった。

ただし、テレワークが幸福度を高めたという因果関係ではなく、高頻度テレワークと高い幸福度改善回答が同時に見られたという観察に留める必要がある。

ハイブリッド勤務は日数ではなくWork Designの問題

良い制度は週何日在宅かだけではなく、どの仕事をどこで行うと最も良いかを設計する問題かもしれない。

オフィスは協働・メンタリング・関係形成、リモートは分析・文書作成・集中業務に向く場合がある。問いはOffice or RemoteではなくRight Work × Right Placeになる。

Flexibilityの次は『予測可能な選択権』

自由度が高くても、来月から突然毎日出社になる、上司が変わると制度が消えるという状態では生活を設計しにくい。

会社が明確な原則を示し、その範囲内で社員が場所と時間を設計できるPredictable Flexibility自体がEmployer Valueになる可能性がある。

BANSEOG VIEW | 働く場所がJob Valueになった

77.9%は現在の出社ルールに納得しながら、69.1%はテレワーク継続を希望し、61.9%は次の職場選びでテレワーク可否を重視した。

この数字は矛盾しない。求めているのが「絶対に会社へ行かない権利」ではなく「すべての仕事を必ず会社でやらなくてもよい選択権」なら説明できる。

テレワークはコロナ期の一時的な制度から、職場の価値を計算する要素の一つへ移りつつある。

Banseog View — Office Return ≠ Remote Rejection

出社回帰が進んでもテレワーク志向が消えたわけではない。

Location Flexibilityは通勤時間、生活時間、住む場所を変える非金銭的なTotal Compensation要素になり得る。

企業の競争力は在宅日数の多さよりRight Work × Right PlaceとPredictable Flexibilityの設計に左右される可能性がある。

参照した主な資料

対象は日本の全会社員ではなく、全国20歳以上のテレワーク経験者1000人。生産性40.0%は自己評価であり、週3~5日テレワーク層の幸福度改善52.7%も因果関係を示さない。Office Return ≠ Remote Rejection、Location FlexibilityをTotal Compensationとして見る部分はBanseogの分析フレームである。